色々な春
2021.03.29
春はあけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは
少し明かりて
紫だちたる雲の細くたなびきたる
これは『枕草子』の書き出しです
清少納言は「春は明け方がいいわね」
と書きました
「あけぼの」は
「夜がほのぼのと明け始めるころ」で
「太陽が昇る直前のころ」のことです
対照的な詩もあります
春眠不覚暁──
春眠暁(しゅんみんあかつき)を覚えず
これは唐の詩人である
孟浩然(もうこうねん)が詠んだ漢詩
『春暁(しゅんぎょう)』の冒頭です
「春の眠りは気持ちよく
夜が明けるのにも気がつかない」
という意味です
春を迎えた今、現代を生きる
私たちにも「それぞれの春」が
あるでしょう
たとえば──
春は花粉症
春は卒業
春は異動
春は始まり
春は出会い
春は挑戦
春は桜
春は若草色
春は公園
春はジョギング
──などなど
それぞれの春を胸に
新たな一歩を踏み
出したいものです
「あなたの春」は何ですか?